風が潤う季節

地元の田んぼには早くも水が張られ、そのせいか本堂に吹き上がる風はほのかに土の香りを含み、この季節特有の潤いを持って、優しく肌を撫ぜてゆきます。

先日、地元の幼馴染数人と久しぶりに飲食を共にし、話の流れからある一人が「夜、田んぼにおる蛙の声が聴こえたら落ち着いて眠れる。」と言うと、私も含め周囲のメンバーも激しく同意して盛り上がりました。ちなみに、都会育ちの数人の知人は、夜蛙の鳴き声を聞くと逆にうるさく感じて眠れなくなるそうです。

私は5月の生まれでもあるせいなのか、田んぼに水が張られる今時分から、田植えを過ぎて緑の稲の上を風の通り道ができる5月いっぱい迄の今の季節が、一番居心地が良く、心の中で地元愛が尚一層高まっていくのでした。

晴れも良し、雨も良しの今の故郷の雰囲気は今年も自身のノスタルジーの下絵に予定調和の如く配色されてゆきます。

あぜに群れているであろう蛙たちの鳴き声に耳を澄まし、その中の一匹一匹に出会うかの如く布団の上で聴き入っている内に、意識は少しづつ安静に沈んでゆくのでした。

 

 


taichi
「信念が事実を創り出す」をモットーに、現代に生きた仏教を模索していきます。

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