いざ、富士の峯へ

いよいよ明日から4日間、富士山での修行が始まります。

昨日の深夜にようやっと荷造りを終え、今は高知駅のホームでこれを書いています。

今日は岡山までディーゼルの特急列車で、岡山から富士宮の新富士駅まで新幹線を乗り継いで、参加者の皆さんと一緒に前泊するビジネスホテルを目指します。

3日前に地下足袋と法螺貝を洗いました。

今回の富士山では、リーダーの大先輩から法螺貝の役を仰せつかっており、苦手ではありながらも今日まで大滝山の中で吹きまくり、練習を重ねてきました。

後は富士山の空気を肺いっぱい吸い込みながら、一心にそれを虚空へ還していくだけです。頑張ります。

それはそうと、昨日不思議なことがありました。

トレーニングの最後の悪あがきに、猿田洞まで自転車を飛ばしていた最中、なんと猫を轢いてしまいそうになるハプニングが起きました。

猫はだいたい、自転車がバーッと近づくと慌てて逃げるものですが、この時の猫は「あ、あ、あっ!・・・。」という感じであたふたと制御停止状態で、予期していなかった私も「え、え、えぇ〜!・・・。」

キキーッ!、という音と共に急ブレーキと急ハンドル。あわや富士山を目前として大惨事を被るのは猫か私か・・・、というところでしたが、咄嗟に私がガードレールに前輪をぶつけてなんとか事無きを得ました。

しかし、ガードレールにぶつかった途端、後ろの荷台に載せていたライトつきのヘルメットがカランコロンと滑落し、水路の中にちゃぽんと落ちました。

それをまざまざと見た私には、良からぬシーンが連想されましたが、いやいや何事もプラス思考。(^^)

このハプニングは、猿田洞ガイドに慌てて向かいながらもトレーニングの悪あがきをしようという、私の焦りに、「気を引き締めよ!」という不動明王からの喝であり、また修行の前の厄落としであったのだと、自分に言い聞かせました。

今回の修行では、私自身、己の一切の驕りを捨て、六波羅蜜の実践に直向きになりたいと発心しています。そこで体感して得たものを、また毎日の日常で還元していけたらと願っています。

愚直に、真剣に、素直に。精進して元気で高知に帰ってきます。

p.s. ひとつ残念な事は、今自分が携えている荷物を全て持って登ることになる為、一切余分な物を持って行けません。

いつもの京都までの移動では、トロッコのように揺れる土讃線にも関わらずひたすら読書することが私のひそかな楽しみなのですが、今回は富士宮までの移動の6時間、どうやって過ごそうかと頭を悩ませています。

今、列車は土佐山田の奥を過ぎ、大豊へ向かっています。

今はトンネルばかりですが、久しぶりに景色でも眺めていく良い機会なのかもしれません。


taichi
「信念が事実を創り出す」をモットーに、現代に生きた仏教を模索していきます。

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