万灯会、マントウカイではなくてマントウエと読みます。
いわゆる仏教あるあるの一つでして、どの宗派でも仏教行事の名前の最後に『会』のつくものはたいがい『エ』と読みます。
大元寺は香美市香北町永野にある、護国寺と同じ宗派のお寺です。
また、総本山である聖護院の流派に則った採燈大護摩供を修しているのは、現在四国の中ではこの大元寺だけです。
そんな訳で大元寺の万灯会に参加してきました。(^^)/
午後5時からの読経に始まり、参加者全員での献灯、ミニコンサート、そして食事の御接待まで構えられてあり、良い意味でホームパーティのような温かく和やかな雰囲気でした。
コンサートでは、ヒゲンジツシュギという二人組のバンドと歌手の美琴さんがジョイントした構成で、故人に想いを馳せる彼岸に則した曲目になっていました。
中でも、ヒゲンジツシュギの宮地さんがご自分のお爺さんの事を想って作られた曲『僕のいる世界』が美琴さんの歌声に乗ってお堂の中に響いた時、
「あぁ、回向のお経上げてる時の気分やなぁ・・・。」
と正直思いました。
私もお爺ちゃん子で育ってきたので歌詞の内容にもすごく共感しました。
「お経は生きている人のためにある」、とのラディカルな捉え方に異論は無いのですが、何かを伝えたいという意志の波動と我々の生との間に死者の存在が確かにあって、それらが相互に影響し合うことでいろんな人生模様が織りなされるのだと思います。
とても心ほぐされる時間でした。
コンサートの後は併設されているカフェに移って夕食の御接待にあずかりました。
いろんなお惣菜がバイキング形式に並べられていて、量も味も素敵だったのですが、リラックスし過ぎていた性もあって画像を撮ることを忘れていました。
おでん、炊き込みご飯のオニギリ、山菜の煮物や和え物、お稲荷さん、パスタ、ギョーザ、デザート、それにお酒もノンアルコールも・・・、
ほんとにたくさんの料理が構えられていて、仏教の施会のホスピタリティがいかんなく発揮されていました。
どれも最高に美味しかったです!(^^)/
地方の非観光寺院に人を集めることが困難に思えて久しい昨今ですが、この日は30名を超える老若男女がお寺に集われていました。
帰りに外へ出ると気温はすっかり肌寒くなっていました。
高知県の香美市の奥で、新時代を予感させる、いやむしろ原点回帰なのかもしれない、地方寺院の萌芽が煌いていました。