深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ
私がこの名言を知ったのは、なにも岩波文庫を読み漁りニーチェに傾倒したからでは全くなく、誰もが知っている映画『タイタニック』の監督であるジェームズ・キャメロンが89年に制作した映画『アビス』の冒頭で引用されていたからです。
ジェームズ・キャメロン監督は、これまでに世に数々のヒット作を生み出してきたメジャーな映画監督です。
先に挙げた作品以外で名の知られたものは、
『ソラリス』、『ターミネーター2』、『エイリアン2』、『アバター』などなど。
素人考えですが、映画監督には大きく分けて2つのタイプがあると思います。
ひとつは、作品ごとに様々なテーマを扱い、監督が作品に込める思想的なものも各作品ごとに異なるタイプ。
もうひとつは、作風やプロットが変わっても、根底には密かに同じ主張やテーマを一貫していくタイプ。
ジェームズ・キャメロン監督は明らかに後者のタイプであると思います。
そして、私が推察するところのジェームズ・キャメロン監督の思想、それは
未知に対する畏敬の念
ではないかと、勝手に思っています。そして、その未知に対する畏敬の念が特に顕著に見られるのが、私の大好きなSF映画『アビス』です。
映画『アビス』のあらましを簡単にまとめると、
民間人と軍人が相まって、深海の海底に太古より住まう未知の文明に接触します。
その文明は同じ地球の中に居ながらも、これまで敢えて人類とは接触せずに、密かに人類を見守り続けていました。
ところが近代に入り、人類間での争いは急激に大規模なものとなり、特に第二次世界大戦以降の核兵器や生物兵器を使った無差別殺戮や環境汚染には、さすがにもう黙って静観していることはできず、未知の文明は、地球環境の尊さと人類間での平和に早く気づくべきであるとの警告を発します。
民間人達は平和的接触に感慨深い思いですが、軍人達はこれを脅威であるとみなして・・・、(この先は敢えて伏せておきます)
監督は、その未知に対する畏敬の念から、ニーチェの言葉を引用したものと思われます。
深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ
この言葉の、(深淵)とはまさに未知のことなのです。
我々が未知に対して接触するとき、その未知も同じく我々と接触しているのであり、つまり、それを想像し、畏れよ。という監督の解釈でニーチェを引用しているのだと、私は勝手に独断しています。
さて、いつもながら前置きが長くなりましたが、
私にとっての未知であり深淵であるものが、じつは大滝山(大瀧山)の洞くつの奥なのです。
以前の投稿でも掲げた画像ですが、これは下を覗いているわけではなくて、真っすぐ前方に広がる深淵です。
でもこのクレパスのような空間、体重70kgの私でも何とか通れそうな気がします。
そして、この深淵の奥には広がった空間が続いているような・・・、そんな気がどうしてもしてしまうほど、この洞くつへ入る度に、この深淵には魅せられてしまいます。
この日は大瀧山マップ作製の為、デザイナーの方と地域おこし協力隊の中元さんの3人で、大瀧山を散策してきました。
健脚の我々の散策ですが、要所要所で私が解説をしたりして山内を歩くと、ゆうに3時間は時間がかかります。
修験の行場としてこの山を体験し、さらにタンナロと呼ばれる忘れられた美しい棚田を越え猿田洞へ下り、さらに猿田洞内を探検すると、一日がかりの充実した散策が楽しめると考えています。
この春は中元さんにもシダ刈りと雑木のまびきを手伝っていただく予定です。
また、その中元さんは近日出演するRKCラジオで、この大瀧山を紹介して下さるとのこと。
今年の春はいっそう山が賑やかになりそうです。
日高村役場の情報では、運動公園からの登山道をお奨めしていますが、実際は護国寺から登るほうが道も整備されていて且つ近道です。
駐車場もありますので、大瀧山に登拝の際はお気軽にお電話下さい。(^^)/
護国寺 0889-24-7244
taichi様
大滝山は登るたびに新しい発見があり飽きることがありません。
これからの季節がとても楽しみです。
ところで、RKCラジオの詳細をお知らせします。
3/16(木)10:25頃~「あさドレッ!わいど」内「市町村ガイド」のコーナーで日高村の紹介をさせてもらいます。
今回はコーナーの最後に大滝山の紹介をすることになっています。
つたない喋りですが、がんばります。
御陰様で、今年は去年より景観が整えられて、大滝山の魅力をより味わっていただけるのではないかと思っています。
RKCラジオでの紹介、大変嬉しく、また励みになります。
普段通りの中元さんでスタジオに入ってくださいね。
できれば護国寺の名前もさり気なく・・・なんて(笑)
了解です(笑)。