シングルモルトの遺風

ある檀家様の四十九日法要と納骨供養に当らせていただきました。 故人様は生前、持前の溢れるバイタリティを活かし20代で起業、一度は倒産の苦汁を経るも、諦めない不屈の精神で再び会社を再興、且つ社員の方々にも慕われる仁愛に満ちた社長さんで在られました。 実は以前、故人様は護国寺までわざわざお出でて下さいました。 それも半身が不自由で介添えの必要な奥様と御一緒に、ま... 続きを読む

坊主が読んだ『ゲンロン0』

一地方寺院の僧侶である私も読みました! 東浩紀さんの自己ベスト的新刊『ゲンロン0』。 概ねネットでの評判は、 「とても読みやすく且つ内容も濃い!」 とのことでしたが、なるほど確かにすごい心地良い読み応えでした! そもそも、私にとって東浩紀さんはとても親しみが持てる哲学者です。 と言っても、以前に読んだことのある書籍は『弱いつながり』一冊だけだったのですが、も... 続きを読む

5月、ドナルド・シモダに会いたくて

大滝山のツツジは思ったより花の数が少なく、穀雨は終わり初夏の雰囲気が近づいています。 今5月を目前にして、瑞々しい緑と風、そして朝昼晩の陽の射し方に心ほぐされ、本堂の縁側に座って少しのあいだ空を眺めてしまいました。 五月病、という病があるほど、この季節は人の精神に良くも悪くも影響を与えるようです。 私はべつに病んでいるわけでは全くなく、ただある一つの本の事を... 続きを読む

久乗おりん、護国寺に響く

本当に、お蔭様をもちまして、護国寺の奉音供養会は大盛況を以て終えることができました。 総勢48名もの方々が本堂に集われました。 そして、その48それぞれの想いは、おりんの響きに揺られていました。 久乗おりん(きゅうじょうおりん)の音色は事前にCDで聴いていましたが、本堂で生で聴くおりんは例えようのない、まさに妙音。 身体の深いところに、ふわぁ~と染み込んで来... 続きを読む